アンプのセッティング その2 EQ編前半
前回、セティングの最初はゲインからという話で終わりました。
その際、ある程度の音量が必要。それから爆音セッティングの人ほどピッキングも強くないと音作りができない話にも触れました。もともと弾いている音を大きくするのがアンプなので、エレキと言えども奏者自体の演奏が大元になるということです。
さて、アンプのセッティングその2EQ編ですが、ここではEQセッティングは何に合わせるべきかを考えていきたいと思います。EQをいじる際に、ハイとローを上げてミッドを削るとドンシャリとか、リードなら中域を上げたほうが音抜けがいいとか、そんな話になりそうですが、その前にそもそもEQのトーンて何に反応するのかを考えたいと思います。
ギター本体とアンプ(スピーカーから出た音)は共鳴しあっているのですが、アンプのEQを上げるとギターはどのように反応するか考えます。
もしギターが中低域強めのマイルドなギターなら、中低域のEQを上げるとよく反応します。それに対して、硬めでザクザクしたソリッドな音が出るギターならハイやプレゼンスの反応が良くなります。それに対して、もともとギターで出ない帯域はEQを回しても反応は鈍くなります。
つまり、ギターの特徴が良く出る音作りをすれば、自ずとそのギターのダイナミクスが大きくなって、スムーズな反応になるということです。試しにボディ材やネック材が違うギターに同じピックアップを乗せて、同じセッティングのアンプで演奏してみてください。出音が変わって、伸びやかに出る帯域も変わります。
では足らなくなった帯域を補うようにEQを回せば同じでは?と思うかもしれませんが同じようには鳴りません。エレキギターをやっていると足し算引き算で考えてしまうことがあるのですが、ギターには反応しやすい帯域とそうでない帯域があるので、EQを回しても同じダイナミクスは得られません。ギターにあった帯域以外を上げても、耳障りな音になったりするだけで、気持ちのいい音は出ません。
また、EQを上げすぎると、ゲインを上げすぎた状態、ハウリングに似た状態になってしまいます。このへんは耳で音を聞く必要がありますが、EQを上げていくとその帯域ごとに変化が鈍く鳴り始めるポイントが見つかります。そこがギターの持っているトーンに対して頭打ちになっているポイントと考えてください。そのポイントの前後が、前回のゲインの話と同じで強調するかしないかの好みの範囲だと私は考えています。
ちなみにギターによってその範囲が異なりますが、高いギターほどその範囲が広い傾向にあります。帯域ごとに音が入る器みたいなものがあるとイメージをしているのですが、いいギターやベースはだいたいその器が大きいです。安いものはレンジが狭いので、小さなアンプやシミュレーターで弾くとまとまりがあって弾きやすく感じるのですが、ライブで使うような大きなアンプで音を出すとダイナミクスの幅が小さくて抜けが悪く、音が潰れます。同じ材質でもランクがあるみたいで、実際にそのランクごとに面白いぐらいダイナミクスも変化します。このあたりが楽器メーカーが値段を決めている一つのポイントみたいです。
アンプのつまみでそれっぽい音を作っても、いいダイナミクスは得られないので、抜けの悪いチープな音になってしまいます。あくまでもギターの鳴りを聞いて、それに合わせてアンプをセッティングすることが音楽的な演奏につながるポイントだと私は考えています。
ここまでのまとめ
◎EQはギター本体が持っているトーンに合わせてセッティングするとダイナミクスが大きくなり、音楽的なトーンになる。
◎EQの反応が鈍くなるところがダイナミクスが頭打ちになるポイント。この周辺がギター本体の響きを生かしたセッティングができるポイントになる。
EQ編前半はギターとアンプがEQを通してどのように関係しているかについて書いてみました。
後半はさらに細かいセッティングポイントや他の楽器との共鳴、アンプと奏者の立ち位置の関係、部屋との共鳴などについて触れてみたいと思います。
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