弦で音は変わる?
お久しぶりです。
アンプとギターの音作りでだいぶ音作りのノウハウが見えてきた方も増えてきたと思います。
また、逆に謎が深まった方もいるかもしれません。耳でアンプとギター(ベース)の共鳴が聞き取れるようになれば、演奏も飛躍的に良くなるので、ぜひ実践してくださいね。音作りの基本になる三つのパラメーター、Gain,EQ,Masterを正しく使って、楽器の鳴りを生かした音作りを目指しましょう。
楽器と共鳴していない音は余分な雑音になりやすく、バンドのアンサンブルを壊します。つまみでできる音作りには限界があるので、つまみの上げ過ぎには十分に気をつけましょう。また、小さすぎても楽器は鳴りません。楽器側の本来の音を引き出すことが結果的にバンドアンサンブルを向上させることにつながるので、頑張ってください。
さてさて、久しぶりに書き出した記事ですが、ギターとアンプ以外に視点を変えてみようと思います。今回は弦のお話。
弦で音が変わるかということですが、読者の皆さんはどう思われますか?
弦で音は変わると思いますか?それともあまり変わりませんか?
結論から言うととても変わります。
「そんなの弦が違えば音も変わって当然でしょ。」と思われた方。トーンはもちろん変わりますが、実は弦を変えるとアンプとギターの共鳴にも相対的に大きな変化が生まれます。以前のブログでも同じような話を書いたのですが、音作りはただの足し算引き算ではなく、適切に行うと相乗効果で大きく変化が生まれます。そのため、ただ弦によってトーンが変わると思っている方はもう少しこのブログを読み進めることをお勧めします。弦と楽器、アンプの関係について読み解くことで適切な弦の選び方が見えてくるので、その辺を私なりのアプローチで解説していきたいと思います。
まず、弦には固有のトーンがあります。太かったりきらびやかだったり、丸みを帯びたトーンだったり、キレのいいトーンだったりと、各メーカーいろんな弦を出しています。弦を張り替えるといろんな変化があるので、いろいろ試すのもギタリストやベーシストの楽しみですよね。
そして色々な弦を試していくと、「この弦鳴らないな。使えない。」と思う弦に当たることがあります。読者のみなさんもそんな経験はありませんか?中には品質の問題であまり鳴らない弦もあるのですが、一般的な弦はどれもそれなりの品質が保証されているものですので、鳴らない場合は別の原因があるかもしれません。
それが弦とギター(ベース)との相性です。
前回までのアンプとギターの共鳴を作る際にEQで楽器本体とアンプのトーンを合わせてあげることが大切だと解説しました。そして、トーンが合ってくると、ギターとアンプがよく反応するようになってレンジが広い音になります。トーンを合わせることがいい音作りの基本でしたよね。そしてトーンを合わせるのはギターとアンプだけではなくて、実は弦にも同じ効果があります。
弦は共鳴を作る媒体(アンプとギターの間を受け持ち、音の共鳴をつなげるもの)のような役割をします。そのため、ギターと同じような音質の弦ほどギターとよく反応して、レンジの広い音が出せるようになります。逆に弦とギターのトーンの傾向が合わないものを選ぶとギターが反応しなくなり、ギターが鳴らなくなります。鳴らない弦は弦が悪いから鳴らないのではなく、ギターのトーンと弦のトーンの傾向が違うからうまく鳴らないのです。
低音が鳴るギターに中域が鳴る弦を張ってもギターが鳴らないのですが、中域が鳴るギターに中域が鳴る弦を張れば、自然と音が大きくなります。ギターが良く鳴る弦を見つけてあげることがギターのトーンを引き出すことにつながるわけですね。
じゃあどんな弦をどのギターに張ればいいの?という疑問の声が出てきそうですが、自分の耳で一つ一つ聞いて、トーンを覚えていくことが何よりも大切です。弦の種類はもちろん、弦のゲージの太さでもトーンと相性が変わりますので、自分の楽器の持ち味が引き出せる弦を聴き分けられるようになりましょう。
そうは言っても弦は高いし、気に入らなければすぐ交換なんてできない、、、。なんて声も聞こえてきそうですね、、、。
そんな人は弦のレビューがあちこちのサイトに出ているので、ユーザーレビューを参考にして自分の楽器に合いそうな弦を探すのが近道だと思います。私の場合、ギタリストなのでギターと弦の相性は大体分かるのですが、ベースの弦選びには困ることがあります。しかもベース弦はギターに比べて何倍もするので、余計に困ります。(ベーシストって大変だよなぁ。。。)その際はサウンド◯ウスさんのユーザーレビューを参考に当たりをつけて発注することが多いです。いろんな意見がありますが、読んでいくとなんとなくサウンドの傾向が掴めます。◯ケベさんのサイトは結構店員さんのコメントが熱心に書き込んであって、そちらを参考にさせてもらうこともあります。あとは各弦メーカーのサイトでどんなエンドースユーザーがいるかを調べるとあからさまに弦の傾向が見えたりもします。また、読者のみなさんの多くは好きなアーティスと同じようなモデルの楽器を使っていると思うので、好きなアーティストが使用している弦を検索して真似するのもいいと思います。
※表紙と下記の写真は筆者が使っている弦。最近はヘビーで太いサウンドの音楽をやることがほとんどなので、そういう弦が多いです。軽めな音が必要な場合は、それにあった弦とギターを用意します。
ちなみに私が感じる弦の傾向として、有名どころをいくつか挙げていくと、
アーニーボール・・・ドンシャリやブーミなトーンの弦が多い。ロック向きな印象。(私はレスポールにアーニーボールを張ることが多い。最近はヘビーな音楽ではコバルトが入っているものを使っている。)
・ダダリオ・・・低音に芯がある感じのトーン。落ち着いていて無難(日本製のギターと相性良さそう。ベースはダダリオならまずベースらしいトーンが出せるイメージがある。)
・GHS・・・ハイが元気でアメリカンロック向きなイメージ。
・DR・・・太くてエグいイメージ。パワーのあるリフが弾きたい人なら一度使ってみる価値あり。(筆者はやはりメタル、ハードロックはこの弦を使う。)
・ダンロップ・・・GHS系のイメージ。やはりハイがバリバリしていて元気。
・ギブソン・・・ブルースロックよりのトーン。ギブソン製のレスポールに張ればギブソンらしいトーンが引き出せる。ギブソンのギターを持っている人は是非お試しあれ。
・SIT strings・・・ストラトと相性がいいイメージがある。透き通った音。筆者はストラトには迷わずこれ。
・エリクサー・・・音粒が丸みがあるので、早弾きをしても輪郭がよくわかる。早弾きしたい人がよく使っているイメージがある。コーティングされていて表面がさびにくいので寿命が長い。
弦の種類はたくさんあって、よく分からない弦も多いのでこの辺で割愛ということで、、、。
ちなみにゲージの太さの基本があるのですが、ゲージが太いほどテンションが強くなるので、ローチューニングで演奏する人やスケールが短いギアー(ベース)を演奏する人ほど太めなものを張った方がいいです。あえてゆるゆるの弦で弾く人もいるのですが、雑音も増えるし音程感も悪くなるので、度が過ぎない程度に収めた方がいいと思います。
理由はこちら(詳しく勉強したい人は読んでみてください。)
物理的に弦が太くなるほど線密度が増えて音程を上げるために高い張力が必要になります。低音弦に太い弦を張るのはこのためです。また、弦が長いほど音程を上げるために強い張力が必要になります。そのため、ローチューニング向けのギターほどロングスケールを採用することが多くなります。
では、太くて低い超ヘビーな音を出すにはスーパーロングスケールに極太弦を張ればいいのかと言うと注意点があります。スーパーロングスケールに太い弦を張るとネックへの負担が増えるので、太すぎる弦を張るはお勧めできません。7弦ギターや5弦ベースで太めなゲージを張ると、楽器本体もその共鳴に耐えられるタフなボディでないと、音が収まらずに低音も暴れます。7弦ギターや5弦ベースはだいたいそのことを踏まえて、細い弦でもテンションが得られるようにロングやスーパーロングスケールにしています。ヘビーな音を出したくても、最初は無難にレギュラーか一つ細めのゲージの弦を張ると良いですよ。
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