日本人はピッキングが強すぎる?
久しぶりにブログを書いています。アイデンです。
私ごとになるのですが、先日、二人目の子供が生まれました。女の子です。
ミュージシャンは皆、恋や失恋で音楽や音も変わることが多いと思うのですが、娘の誕生は、さらに大きな影響を与えそうな気がします。世のお父さん達が、なぜ娘パワーで頑張れるのか、ちょっと分かってしまいました。。。(笑)
それから、娘が生まれた日に注文していたギターが届きました。GibsouのJ-45 1960スタイルです。
コードストロークが気持ちよくてくせになりそう。バッキング中心の自分のスタイルとは、とても相性が良さそう。実は、曲を作る際にアコギの方が作りやすいことに気がついて、より自分のトーンと合うものを探してJ-45を選びました。それから、このギターは娘が産まれた日に届いたので、娘の名前をつけることにしました。いい曲がかけるかな。
さて、親バカはこのへんで終わりにしまして、、、。今回のテーマになりますが、ここ1年ぐらいのライブやセッション、ミュージシャンとの出会いから、どうも私はピッキングが強すぎるのではないかと思うようになり、記事にすることにしました。アコギではこんなに強く弾かないのに、エレキだと抜けないからという理由で、ガシガシ弾いてしまいます。
私が大学生の頃、上手な先輩からピッキングが弱いなぁと言われて、その頃から力強いピッキング=いいピッキングという概念が出来上がっていたように思います。もちろん強弱はつけるのですが、これまでのいいピッキング=強いピッキングという考え方に疑問を持つようになりました。
去年は本当に多くの素晴らしい出会いに恵まれたのですが、どうも私が好きなブルース系ギタリストは必ずしも強くは弾いていないようです。
私がギターを師事しているICHIROさんというギタリストがいるのですが、ICHIROさんのピッキングは私の100倍ぐらいバリエーションがあります。
実際レッスン中にどうやって弾いてるの?と思うようなことだらけで、未だに分からないことが多々あります。ただ、一つ気づいた点として、私が目指すサウンドを奏でる人たちは皆、音がでかいようです。
またダイナミクスの話になるのですが、プロの人たちのレンジはものすごく広いんですね。(ダイナミクスの話が良くわからない人は私の以前書いたブログなどを参考にしてみてください。)
音は大きい。ただし、その状態で強いピッキングをすると、硬くてバッキバキな音が出ます。まして、ストラトにフェンダーのアンプなんて繋いだら、めちゃめちゃ耳に痛い音になります。でも実際のライブでは、心までしびれる音が出てきます。つまり、ピッキングやトーン、ボリュームのコントロールがかなりシビアな状態でコントロールしているようです。
これはベースにも当てはまっていて、ものすごく響く音なのに、優しく丁寧に弾いているベーシストを見て『?』となったのですが、どうも同じことのようです。
すごくいい音を出す人は皆、ピッキングが「弱い」んです。その代わりアンプ側のセッティングは音がでかい。
このことに気づくのに10年以上時間がかかってしまいました。ちょっともったいなかったと後悔もしています。
もしかすると強いピッキング=いいピッキングという考えが一般化してしまっているのが一つの原因かもしれません。また、現代の音楽シーンの影響も大きいように思います。
とりあえず三つほど原因をあげると、こんな感じではないでしょうか。
1、ゲインとマスターのついたアンプの一般化
2、音量を大きくできない練習環境
3、でかい音=悪い音という先入観が浸透している。
1のゲインとマスターのついたアンプの一般化ですが、ゲインをあげると音のダイナミクスが上がりますが、コントロールが難しくなります。そのため、ゲインをあげた歪ませた音を扱いやすくするためにマスターボリュームのついたアンプが開発されましたが、それでは演奏者側のコントロール力が育たなくなります。なので、昔ながらのアンプを経験してきたミュージシャンの方がギターの扱いが上手になる傾向があるように思います。
2はそのままです。アメリカなどの各家庭に地下室やガレージがある環境、民家が密接していない環境に比べ、日本は大きな音で演奏できる環境がありません。なので、練習用アンプをでかい音で弾くということが、そもそも少ないです。防音室は高価なので、年中スタジオやライブハウスで音を出している一部のプロ以外で、このレンジ感を体得するのは難しいと思われます。
3は日本のPA業界やレコーディング業界の一部の知識が偏って流入していることが原因だと思います。多分、プロの人たちの音を録っているエンジニアからすると、バランスを揃えることは多少やると思うのですが、バンド側でもすでに相当高いレベルで行われているはずです。
そういう演奏を聞いて、音量を揃えることの大切さを説いてきていると思います。
でも私たちアマチュアの世界だと、そういう職場で働いた人たちのレンジ感を体得しないまま、エンジニアをしている人たちも少なくありません。アマチュアでも音量が揃っていないことぐらいは分かるので「音量を下げて」とは言われますが、演奏者を育てるような「音をコントロールして」といった指示はまず出ません。(私は聞いたことがない。)
こういう日本の音楽シーンの影響から、結果的に小さな音や潰れた音でも抜ける硬い音のピッキングが主流になってしまっているように思います。硬い音のピッキングはアタックだけは聞こえるかもしれませんが、音楽的に響く音とは言い難いです。
ライブやレコーディングなど、バンドで音を合わせる時に音量バランスが取れないのはよくないことです。なので、音量は下げるべきです。でもだからと言ってすぐにマスターボリュームを下げてはいけないのです。プレーヤーとしての成長を第一に考えた時、「音が小さい=バランスが取れてて良い音」ではないということをしっかりと把握しておきましょう。
ギターは歪ませて使うことが多いため、コントロールしやすいのはどちらかというとトーンです。ボリュームペダルやバッキング、ソロごとに音量の調節しておきましょう。ベースの場合、プロのベーシストになるとピッキングだけで音量調節している場合も多々見られます。チロリンさんは「コンプレッションはハートでかけるんだよ」と言ってました。名言だなと思います。
書籍だと、ファンク系のもので分かりやすく解説してくれているものがあります。
ギター演奏の常識が覆る! 99%の人が弾けていない「本当のグルーヴ・カッティング」
最後に、でかい音=いい音ではなく、でかい音でいい音を出せることが上手いミュージシャンだということを補足しておきます(笑)
私も娘にかっこいいと言われるよう頑張りたいと思います!
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